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60.「査定!」論。

「査定!」論。 「査定!」論。
梅森 浩一

PHP研究所 2004-03-16
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人事のスペシャリストとして外資系企業を渡り歩き、
実に1000人もの首を切ってきた著者によるキャリア論。

日本の評価・査定制度の問題点を分析し、
「実力主義に基づいた終身雇用制度」を提言する。

端的に言えば、米国型人事制度を導入すべきだという提言だ。
「米国型」というのは著者自身がまさにそういっている。
「グローバル=米国型」と言ってはばからない。
そして、実際世界はそういう方向に向かっている。
ゲームのルールが明らかに変わっているのだ。

果たして米国型成果主義が本当にいい人事制度なのか。
そして、日本の制度のどこが問題なのか。

著者は、日本型人事制度の問題点は、
「終身雇用」ではなく、「年功序列」であると言う。
「終身雇用」に関しては、
「安心」を得るためにむしろ推進すべきだとの立場だ。

では、「年功序列」のどこが問題なのか。
それは非常に簡単。
「報酬が成果に比例しないから」

言い換えれば、
「自分より結果を出していないのに、自分より年齢が上という
実力とは全く関係のないファクターで報酬が高くなるという
極めてアンフェアな制度であるから」
ということだ。

年齢・性別・人種関係なく、出した結果に対して報いる。
まずは偏見と嫉妬をなくすことから始めなければならない。
プロセスも重視するというのは単なる甘えである。
ビジネスは結果が全てなのである。

結果(成果)というのは当然「数値」など具体的な尺度で
測れるものでなければならない。
なぜなら、「定性評価」だとどうしても「曖昧さ」が入ってしまい、
公正な評価にはなり得ないからだ。

だから、どのような目標を設定するかが非常に重要となる。
自ら主体的に上司とコンタクトを取り、お互い納得した上での
目標を設定する。この過程が非常に大事なのだという。

つまり、自分で仕事の仕方をデザインするということだ。
この能動的な姿勢を持たなければならない。

では、これからの実力主義の時代を生き残っていくためには
どうすればいいのか。

これが非常に面白いのだが、それはこれまで紹介してきた
キャリア本で述べられていることと、ほぼ同じ内容なのだ。

つまり、

「どんな職種についても必要な、ファンダメンタルなスキル」
(=コンピタンシー)

を身につけなければいけないということだ。

では、その「ファンダメンタルなスキル」とは何か。
筆者は本書の中で5つのスキルをあげている。

① 求められる仕事の内容をきちんと把握する能力

② 仕事の段取りを含めた管理能力

③ コミュニケーションや対人折衝能力

④ 仕事の質と量をきちんと守ることができるかどうか

⑤ 柔軟性と適応能力

そして、もちろん「スペシャリスト」の時代になるので、
専門的な能力(=スキル)を身につけることは当然必要なのだが、
面接などでは、この「スキル」と「コンピタンシー(ファンダメンタルなスキル)」
を混同しないようにすることが大事なのだという。

某日系の会社でぬくぬくと暮らしているおっさんには
実に耳の痛い話が多いわけであるが、
今から備えをしておかなければならないのだろう。
もう時代の流れは元には戻らないのだ。

「査定!」論。
梅森 浩一

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