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52.考える技術

考える技術 考える技術
大前 研一

講談社 2004-11-05
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大前氏の著作は以前一度紹介させて頂いたが(出版はこちらの方が先だが)、
彼の主張は、現在は経済がグローバル化する過程にあり、
もはや一国内の枠組みでは、経済もビジネスも捉えられなくなっていくという
氏の言うところの「ボーダレス・エコノミー」の時代になるというものだ。

従って、そういう世の中の大きな(革命的な)変化に合わせて
我々個人のパラダイムも新たな時代に合わせてシフトさせていかなければ
ならない、と説く。

本書はそうした時代を生き残っていくための「論理的思考力」を養うには
どうしたらいいかというノウハウを提供してくれる本である。

この「思考力」の差が、そのまま「収入」の差につながるという。
つまり、「思考力格差」が「経済的格差」を生む時代になると
筆者は考えているのだ。

では、具体的に本書の中身はというと、
「大前流科学的思考術」の紹介のような内容だ。
下の絵(マインドマップ)を参照してもらいたい。

Kangaeru_gijutu

テクニックよりもむしろ心構えを教える書に近いかもしれない。
もちろんそれも大事なことなので、
参考になる部分は非常にたくさんあるのだが。

その中から2つほど書いておきたい。

まず、これからの世の中は新しいパラダイムのもと、
前例のない、つまり決まった「答え」のない時代になるということ。
そして、「答え」のない問題を考えるのは日本人は極めて苦手であるということ。

以前紹介した本でも書いたが、
我々は、「問題」は「与えられる」のが当たり前の環境で生きてきた。
長年の受験勉強でその感覚に染まってしまったのだ。
だから、大人になって苦しむ人が多い。
特にいい大学に入って燃え尽きてしまった人ならなおさらだろう。

世の中を生きていくために本当に必要なことは、
「与えられた問題に対して答えを出す能力」ではなく、
「問題そのものを発見する能力」である。
そのことは本書でも強調して述べられている。

では、「問題そのものを発見する能力」はどうやったら身につけられるのか。
それは、「徹底的に『なぜ?』を追求すること」
つまり、「常に質問し、自分で一生懸命答えをみつけること」に尽きる。
「知的に怠惰になっては絶対にいけない」と筆者は説く。

そしてもう一つ、ロジカル・シンキング系の本を読んで最近よく思うのが、
「思考法」のメソッドも大事だが、結局最後に決め手になるのは
「知的好奇心がどれだけあるか」が全てではないかということだ。

つまり、どんなに優れた「思考法」を身につけたとしても、
知的好奇心がなければそれ以上深く考えようとしないし、
逆に「思考法」が洗練されていなくても、知的好奇心が旺盛で
徹底的に「なぜ?」を貪欲に追求していくことができれば、
そっちの方が結果的に「良い」思考結果が生まれると思う。

そして、この「知的好奇心」を維持することが実は結構難しかったりする。
だから、常に異質なものに触れ、色んなものへの興味を失わない努力を
することが、どんな優れた「思考法」を身につけるよりも必要なこと
ではないか、とこの本を読んでさらにその想いを強くした。
多分、これは「真理」ではないかと思う。

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